「ゲームばっかりしてると健康に悪いよ！」なんて言われたこと、一度はありますよね？でも実際のところ、ゲームがもたらす健康への影響は良いことも悪いことも両方あるんです。今回は、ゲームが私たちの身体や精神にどのような影響を与えるのか、最新の科学的データを基に詳しく見ていきましょう！
ゲームはメンタルヘルスにどう影響する？
ゲームがメンタルヘルスに及ぼす影響について、多くの研究が行われています。von der Heiden et al.（2019）の研究では、ゲーム依存が精神的健康に悪影響を与えることが示されています。特に、心理的症状や感情のバランス、対処能力、自尊心の低下と関連していることがわかりました【von der Heiden et al., 2019】。
しかし一方で、メンタルヘルスの改善に役立つ場合もあります。例えば、ゲームを「気晴らし」や「ストレス発散」のために利用しているプレイヤーは、一定のメリットを享受していることが確認されています。
ゲームが身体に与える影響
ゲームが健康に悪影響を及ぼすという意見も多いですが、実際にはその影響は複雑です。Pelletier et al.（2020）の調査によると、ゲーム時間の長さがボディマス指数（BMI）の上昇や全体的な健康状態の低下に関連していることが確認されています。しかし、十分な運動を行っているゲーマーは、そうでない人に比べて健康リスクが低いという結果もあります【Pelletier et al., 2020】。
また、「アクティブビデオゲーム」と呼ばれる身体を動かすタイプのゲームは、体力向上に貢献することが研究で確認されています。これは、特に子供や高齢者のリハビリや健康増進に効果的です。
ゲームで頭が良くなる？
ゲームは脳にも影響を与えると言われています。特に「アクションゲーム」は、注意力や視覚的な処理能力を高める効果があることがわかっています。Boot et al.（2008）の研究では、ゲームを頻繁にプレイするゲーマーは、物体の追跡能力や短期記憶の改善が見られることが示されています【Boot et al., 2008】。
また、ゲームは問題解決能力や戦略的思考を養うために役立つという報告もあり、教育の一環として利用されることが増えている分野です。
ゲーム依存はどれだけ深刻？
ゲーム依存は、健康に深刻な影響を与える可能性があります。Desai et al.（2010）によると、調査対象のゲーマーのうち約4.9％が「問題的なゲーム利用」と報告しており、特に男性は女性よりも依存症リスクが高いことがわかっています。この依存症は、喫煙や薬物使用、抑うつ状態などのリスクとも関連しています【Desai et al., 2010】。
問題的なゲーム利用は、ゲームをやめたくてもやめられない、もしくはやめるとストレスが溜まるといった症状が現れ、生活に支障をきたす可能性があります。
ゲームはストレス解消にもなる？
一方で、ゲームにはストレス軽減効果もあります。特にパンデミック期間中、ゲームを使ってストレスを発散し、心の安定を保つために役立ったという報告が増えています。Barr & Copeland-Stewart（2021）の研究によると、回答者の71%がゲーム時間が増えたと答え、そのうち58％は「ゲームが精神的な安定に役立った」と報告しています【Barr & Copeland-Stewart, 2021】。
このように、適度なゲームはリラックス効果や、他者との交流を通じた社会的支援を得る手段としても機能しています。
ゲームを上手に活用する方法
ゲームには良い影響もあれば悪い影響もありますが、重要なのはバランスです。ゲームが身体や心に与える影響は、プレイ時間やプレイスタイルによって大きく異なります。例えば、過剰な座りっぱなしでのゲームプレイは健康リスクを高めますが、体を動かすタイプのゲームや短時間で楽しむタイプのゲームは健康的なレクリエーションになり得ます。
また、ゲームの種類も重要です。戦略ゲームや問題解決型のゲームは、脳に良い刺激を与えるため、健康へのプラスの影響が期待できます。
結論：ゲームは健康に良くも悪くも影響を与える
ゲームが健康に与える影響は、時間やプレイスタイル、個々の状況に大きく依存します。適度なゲームプレイはストレス解消や認知機能の向上に役立ちますが、依存症になるリスクや座りっぱなしの健康リスクも無視できません。大事なのは、バランスを取りながら上手にゲームを楽しむことです。
次にゲームをする時は、時間を決めて楽しむこと、そしてアクティブに体を動かすゲームを取り入れるなどして、健康にプラスの影響を与える方法を試してみてくださいね！
