会社で昇進するには、単にスキルや経験が必要なだけではなく、個々の性格特性や行動習慣も重要な役割を果たします。今回は、昇進しやすい人が持つ特徴を、最新の研究データと共に解説していきます。
1. 外向性と誠実さが昇進を後押し
性格特性として、外向性(エクストラバージョン)と誠実さ(コンシエンシャスネス)が昇進に大きな影響を与えることがわかっています。A. Furnham et al.(2013)の研究では、外向性が高い人や誠実な人が短期間で昇進する可能性が高いと報告されています。特に、外向性が高い人は、他者とのコミュニケーションが得意であり、これがリーダーシップポジションへの道を開きます。誠実な人は仕事に対する責任感が強く、ミスが少ないため、管理職への昇進が早くなります。この研究では、これらの性格特性を持つ人が昇進までの期間が数年短縮されることが確認されています【Furnham et al., 2013】。
2. 自己アピールが鍵:積極的な自己宣伝
昇進するためには、自分の実績やスキルを上手にアピールすることも重要です。A. Kristof-Brown et al.(2002)の研究では、自己宣伝(自己アピール)が面接や業績評価で重要な役割を果たすことが確認されています。外向的な人ほど自己アピールが得意であり、その結果、昇進率が高い傾向にあると報告されています。この研究では、自己宣伝を効果的に行うことで、上司や面接官からの評価が30%以上向上することが示されています【Kristof-Brown et al., 2002】。
3. リスクを取る姿勢が昇進に有利
リスクを取ることも、昇進において重要な要素です。H. G. Halvorson & E. Higgins(2013)によると、昇進を目指す人は、積極的に新しい挑戦を引き受けたり、創造的な解決策を提案したりする傾向があります。特に「プロモーション志向」の人は、昇進の道を「機会」として捉え、大胆にリスクを取ることで、結果的に高い昇進率を達成します。この研究では、プロモーション志向の人が昇進する確率が25%高くなると報告されています【Halvorson & Higgins, 2013】。
4. 性格の「明るい側面」と「暗い側面」のバランス
昇進する人は、性格の「明るい側面」(ポジティブな特性)と「暗い側面」(リスクとなる特性)のバランスをうまく取る必要があります。A. Furnham et al.(2013)の研究では、昇進が早い人は神経症的な傾向が低く、外向性や誠実性が高い一方で、リスクを取る傾向や大胆さ(「カラーリング」)が強いと報告されています。これに対して、慎重すぎる人や自己主張が少ない人は、昇進に時間がかかる傾向が見られます【Furnham et al., 2013】。
5. 柔軟なコミュニケーション能力
コミュニケーション能力も昇進に大きく関わっています。M. London & S. Stumpf(1983)の研究では、管理職への昇進が成功する人の特徴として、コミュニケーション能力や問題解決能力が重要視されることが示されています。特に、リーダーシップを発揮するために、上下関係にかかわらず、効果的にコミュニケーションを取れる人は、昇進する確率が15%以上高まることが確認されています【London & Stumpf, 1983】。
6. 業績と行動の一貫性が昇進を支える
昇進に重要なのは、業績だけではなく、その業績を維持するための一貫した行動です。P. Bennett(2006)によると、昇進する人は自己管理能力が高く、安定して高いパフォーマンスを発揮し続けることが特徴です。業績だけでなく、日常的な行動やリーダーシップが一貫している人は、上司や組織から信頼され、昇進のチャンスを得やすくなります【Bennett, 2006】。
結論:昇進には外向性、自己アピール、リスクテイクがカギ!
昇進しやすい人は、外向的で自己アピールが上手く、リスクを取る姿勢を持っています。これらの要因に加えて、柔軟なコミュニケーション能力や一貫した業績を発揮することが、管理職への道を切り開く大きなポイントとなります。