新型コロナウイルス感染症(COVID-19)から回復した後も、多くの人々がさまざまな後遺症に苦しんでいることが報告されています。これが「ロングコロナ」と呼ばれ、体の複数のシステムに影響を与えることがあります。今回は、最新の研究データに基づいて、ロングコロナの症状や影響について詳しく見ていきましょう!
1. ロングコロナの症状とは?
ロングコロナは、COVID-19の感染後、長期間にわたり症状が続く状態を指します。研究によれば、COVID-19に感染した患者のうち57%が、6か月以上の症状を報告しており、1年以上続く場合もあるとのことです。最も一般的な症状は、疲労感(54%)や筋力の低下、呼吸困難(74.6%)などで、これらは患者の生活の質に大きな影響を与えることが確認されています【Ma et al., 2022】。
2. 精神的な影響も深刻
COVID-19後遺症は、肉体的な影響だけでなく、精神的な健康にも大きな負担をもたらします。研究では、感染者の33%が6~12か月の間に不安やうつ症状を経験しており、これが1年以上続くこともあると報告されています。また、痛みや不快感も同様に33.26%が経験しているとされ、これらの精神的ストレスは生活の質に重大な影響を及ぼしています【Ma et al., 2022】。
3. 多臓器への影響
COVID-19は肺や心血管系、腎臓など多くの臓器に影響を与えることが報告されています。例えば、肺機能の低下は49.1%の患者で確認され、これが12か月以上続くことがあるとされています。また、心血管系では心筋肥大や心筋梗塞などのリスクが指摘されています【Higgins et al., 2020】【Leung et al., 2020】。
4. ワクチン接種の影響
COVID-19ワクチンは、感染後のロングコロナリスクを減少させる可能性があります。ワクチンを接種したグループは、未接種グループに比べてロングコロナを発症するリスクが29%低下することが確認されており、特に2回以上の接種が有効とされています。この保護効果は、ワクチン接種前後のどちらでも見られるため、早期接種が推奨されています【Gao et al., 2022】。
5. 高リスク群と予測因子
ロングコロナを発症するリスクが高いのは、高齢者、女性、体重指数(BMI)が高い人、そして初期症状が多かった人です。特に、初期に5つ以上の症状を経験した人は、ロングコロナになる確率が3.53倍高いことが報告されています。また、年齢が高くなるにつれて、持続的な症状のリスクも増加する傾向があります【Sudre et al., 2021】。
結論:コロナ後遺症は想像以上に深刻!
ロングコロナは、多くの人に長期間にわたる健康への影響をもたらします。肉体的な症状だけでなく、精神的なストレスや多臓器への影響も深刻であり、長期的なケアが必要となります。