BMIの最新研究:本当に信じていいの?新たな発見を掘り下げる

肥満ライフスタイル
この記事は約3分で読めます。

BMI(Body Mass Index)は、肥満や健康状態を評価するために広く使用されていますが、その有効性には疑問が提起されています。今回は、最新の研究結果をもとに、BMIの信頼性や新たな測定指標について紹介します。

1. BMIの信頼性に疑問あり?新たな指標の提案

BMIは広く使用されているものの、筋肉量や骨量を考慮しないため、その有効性に限界があります。特に男性と女性でその正確性が異なることが確認されています。ある研究では、BMIを用いた肥満分類が男性よりも女性において正確であると報告されていますが、BMIの代わりに体脂肪率を用いると、アフリカ系アメリカ人男性の肥満率が大幅に増加し、逆に女性では半減することが確認されています【Cawley & Burkhauser, 2006】。

2. 最近のBMIデータはどう変化しているのか?

1975年から2014年までの約20年間にわたる研究では、世界中で成人のBMIが顕著に増加していることが明らかになっています。例えば、男性の平均BMIは21.7から24.2 kg/m²に増加し、女性も22.1から24.4 kg/m²に増加しています。特に、ポリネシアとミクロネシアの地域では、男性のBMIが29.2 kg/m²、女性では32.2 kg/m²と最も高い水準に達しています【Cesare et al., 2016】。

3. 病気リスクとBMIの関係

3.6百万人を対象にしたイギリスの研究では、BMIが全死亡率および特定の死因に強く関連していることが確認されています。特に、BMIが25を超えると、死亡率は5 kg/m²ごとに21%増加するという結果が示されました。この傾向は、がんや心血管疾患、呼吸器疾患などの主要な死因において一貫して確認されています【Bhaskaran et al., 2018】。

4. 自己申告によるBMIの信頼性は?

BMIを測定する際、自己申告された体重と身長に基づく値と、技術者によって直接測定された値との間には一貫して誤差が見られます。研究によると、自己申告された体重は平均で0.56 kg少なく報告され、身長は0.76 cm多く報告されています。このような誤差が、肥満率の過小評価に繋がる可能性があります【McAdams et al., 2007】。

5. 認知症リスクとBMIの関連性

興味深いことに、認知症リスクとBMIには逆の関係があることが発見されました。UKの研究では、40歳以上の約200万人を対象に、BMIが20未満の低体重の人が認知症リスクを34%高める一方、非常に肥満の人ではリスクが29%低下するという結果が示されています。この結果は、従来の「中年期の肥満が高齢期の認知症リスクを高める」という仮説を覆しています【Qizilbash et al., 2015】。

6. 男女差と年齢によるBMIの変動

イギリスの3つのコホート研究では、1946年、1958年、1970年に生まれた人々のBMIの変化を追跡し、体重増加パターンの違いを明らかにしました。特に、1970年に生まれたグループでは、若い頃から体重が急増する傾向が強く見られました。これにより、肥満のエピデミックが特定の世代でより顕著になっていることがわかります【Norris et al., 2021】。

7. BMIの代わりに?新しい指標の模索

BMIの限界を克服するため、体組成分析(BCA)や機能的な体組成(FBC)といった新たな指標が提案されています。これらの指標は、体脂肪や筋肉量、さらには内臓の状態を考慮し、個別化された肥満の評価に役立つとされています。将来的には、BMIに代わる新しい健康指標が必要とされるかもしれません【Müller et al., 2016】。

結論:BMIは単なる数字以上の意味を持つ

最新の研究結果から、BMIは健康リスクを評価する上で依然として有用な指標であるものの、限界があり、特に体組成や個人の特徴を考慮した新たな指標が求められています。BMIの背後にある意味を理解し、適切な健康管理を行うことが重要です。

タイトルとURLをコピーしました