MBTI(Myers-Briggs Type Indicator)を一度は受けたことがあるって人、結構多いですよね?「私はINTJだから分析力が高いタイプ」なんて自己分析を楽しむ一方で、これが本当に正確なのかどうか気になったことはありませんか?この記事では、MBTIがどれだけ信頼できるのか、科学的な根拠をもとに詳しく掘り下げていきます!さあ、あなたのMBTI信仰に揺らぎが生じるかも?
MBTIってどういう仕組み?
MBTIは4つの軸(外向・内向、感覚・直感、思考・感情、判断・知覚)をもとに、16種類の性格タイプに分類する性格診断テストです。これを使えば、自分の性格や仕事の適性が分かる!と言われていますが、本当にそれだけであなたの本質がわかるのでしょうか?
実は、この分類法自体に問題があるとする研究も多くあります。
信頼性は?同じ結果が毎回出ないってマジ?
MBTIの大きな問題は、その再テスト信頼性にあります。再テスト信頼性とは、同じ人が何度もテストを受けても同じ結果が出るかどうかを示すもの。もし性格診断が本当に正確なら、何度やっても結果は同じはずですが、MBTIの場合、そううまくはいきません。
Carlson(1985)の研究によると、MBTIを受けた人の約50%が再テストで異なる結果を得たというデータがあります【Carlson, 1985】。つまり、一回目に「外向的」と診断された人が、次に受けると「内向的」になることが普通にあり得るのです。
これ、正直言って信頼できると思いますか?性格がそんなに短期間で変わるはずがないのに、MBTIの結果は結構あやふやなんです。
16の性格タイプって本当に意味があるの?
もう一つ注目したいのは、MBTIが16タイプに分ける分類の有効性です。これがどれほど実際の性格を反映しているかは、かなり疑問視されています。
Lorr(1991)の研究では、100人の男性を対象にクラスター分析を行った結果、16タイプに分けるよりも5つの主要なクラスターに分類された方が現実に合っていることが示されています【Lorr, 1991】。つまり、MBTIの16タイプという区分は、実際にはそんなに意味がない可能性が高いのです。
もし「私はENTPだからクリエイティブ!」とか思っていたら、実はその分類は現実と大きくかけ離れているかもしれませんよ。
MBTIは職業選択に使える?
MBTIは、キャリア選びや職業適性の診断にもよく使われますが、その効果はどうなのでしょうか?実はここにも問題があります。
Pulver & Kelly(2008)の研究によると、MBTIを使った職業選択の的中率は45.4%で、ほぼ「コイントスと同じ確率」なんです【Pulver & Kelly, 2008】。
職業選びは人生の大事な決断ですよね?そんな重要な決定を、50%程度の信頼性に基づいてするのはリスキーだとは思いませんか?
他の性格診断ツールと比べてMBTIはどう?
MBTIが人気だけど、他の性格診断ツールと比べるとどうでしょうか?たとえば、心理学で広く認められている「五大性格特性モデル(Big Five)」と比較すると、MBTIはその信頼性が劣ることがわかります。
Cohen(1981)の研究では、MBTIの外向・内向(EI)は五大性格特性モデルと一致しているものの、その他のスケール、特に判断・知覚(JP)のスケールは現実の意思決定にほとんど反映されていないことが確認されています【Cohen, 1981】。
つまり、MBTIは一部正しいかもしれないけど、全体としてはちょっと頼りないかもしれません。
文化によるバイアスも無視できない
さらに見逃せないのが「文化的バイアス」です。MBTIはアメリカで開発されたテストなので、他の文化圏では結果が大きく異なることがあります。
Osterlind et al.(2004)の研究によれば、中国語版MBTIを使った場合、文化的背景が診断結果に大きな影響を与えることがわかりました【Osterlind et al., 2004】。もしあなたが別の文化圏でMBTIを受けたら、全く違う結果が出るかもしれないということです。
性格診断が国や文化によって異なるというのは、果たしてどれだけ信頼できるのでしょうか?
結論:MBTIはあくまで「参考程度」に!
ここまで見てきたように、MBTIは面白い自己分析ツールではあるものの、科学的に見た信頼性や有効性には多くの疑問が残ります。再テストの信頼性が低く、職業選択にはほぼ運頼み、そして文化によって結果が大きく変わる可能性があるとなれば、MBTIを「自分のすべて」として信じるのは危険かもしれません。
なので、MBTIはあくまで「参考程度」に楽しむのがベスト。深く信じ込む前に、もっと信頼できる診断方法を探してみることをおすすめしますよ!