「対人ゲームって健康に悪いんじゃない？」という声をよく耳にしますよね。でも、実際のところ、対人ゲームが健康に与える影響は良いものから悪いものまでさまざまです。今回は、最新の研究結果をもとに、対人ゲームが私たちの身体や精神にどのような影響を与えるのかを詳しく解説していきます！
対人ゲームはメンタルヘルスに良い影響を与える？
まず、対人ゲームのメンタルヘルスへの影響について。Hazel et al.（2022）の研究では、ゲームを適度に楽しむことで、特に若年層において88.4%の参加者が感情面での恩恵を感じていると報告されています【Hazel et al., 2022】。特に、協力プレイやチーム戦が心理的な満足感やストレスの軽減に役立つとされています。
一方で、暴力的な対人ゲームの影響については、少し慎重になるべきです。対人ゲームの暴力表現が長期的に攻撃性を増加させるかどうかについては議論が続いていますが、Kühn et al.（2018）の研究では、暴力的なゲームが直接的に攻撃性を引き起こすという証拠はほとんどないとされています【Kühn et al., 2018】。
対人ゲームは社会性を育む？
ゲームといえば、一人で没頭するイメージが強いかもしれませんが、対人ゲームはむしろ社会的なスキルを養う場としても役立つことがわかっています。Shoshani et al.（2021）の研究では、協力型の対人ゲームをプレイした子供たちは、助け合いの行動や他人に対する思いやりが向上することが確認されています【Shoshani et al., 2021】。特に、協力プレイモードでは、協力的な行動が増加し、他者との信頼関係が強化される効果があることが示されています。
対人ゲーム依存はどれだけ深刻？
一方で、対人ゲームの依存については深刻な問題もあります。Mukherjee et al.（2021）の研究では、オンライン対人ゲームに依存する若者がうつ病や不安症に苦しむリスクが高いことが確認されています【Mukherjee et al., 2021】。特に、問題的なゲームプレイ（いわゆる「ゲーム依存」）は、親や友人との人間関係にも悪影響を与えることが報告されています。
この研究では、調査対象の150人中約4.1％が「問題的なゲーム利用」を報告しており、特に男性がゲーム依存のリスクが高いことがわかっています。ゲーム依存症になると、現実世界での社交活動が減少し、他人との関係が悪化するリスクが高まるのです。
対人ゲームはストレス解消にもなる？
対人ゲームは、ストレス解消に役立つ場合もあります。Barr & Copeland-Stewart（2021）の研究では、パンデミックの最中にゲームをプレイすることで71%のプレイヤーがストレス軽減効果を感じたと報告しています【Barr & Copeland-Stewart, 2021】。特に、他者とリアルタイムで対戦や協力を行うゲームは、孤独感を軽減し、リラックスするための手段として効果的です。
協力プレイが感情に与える影響
興味深いことに、協力プレイと競争プレイでは、ゲーム終了後の感情に違いが出ることもわかっています。Mihan et al.（2015）の研究によれば、協力プレイは競争プレイやシングルプレイに比べて、ゲーム後の攻撃性が低下することが示されています【Mihan et al., 2015】。これは、協力プレイを通じてポジティブな感情が育まれるため、ゲーム後も前向きな気分が続くことを示唆しています。
対人ゲームが認知能力に与える影響
また、対人ゲームは単に楽しむだけでなく、認知機能を高める効果もあります。Boot et al.（2011）の研究では、アクションゲームを含む対人ゲームをプレイすることで、反応速度や問題解決能力、空間認識能力が向上することが確認されています【Boot et al., 2011】。特に対戦型ゲームでは、瞬時の判断力や戦略的思考が求められるため、これが認知機能の向上につながると考えられています。
結論：対人ゲームは楽しみながらもバランスが重要！
対人ゲームは、メンタルヘルスや社会的スキルにポジティブな影響を与える可能性がありますが、依存症のリスクも無視できません。適度に楽しむことで、ストレス解消や認知能力の向上を期待できますが、過度なプレイには注意が必要です。バランスを保ちながら、対人ゲームを上手に活用していきましょう！
