排便回数が多い人って実は健康?その影響を科学的に解明!

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「排便回数が多いけど、それって健康に悪いの?」と疑問に思っている人もいるかもしれません。実際、排便回数が多いことには、体に良い影響もあれば、悪影響もあることがわかっています。この記事では、最新の研究結果をもとに、排便回数が多いことがどのように健康に影響するのか、数字を交えて詳しく解説していきます。

排便回数が多いと心血管疾患のリスクが増える?

排便回数が多い人は、心血管疾患(CVD)のリスクが増加する可能性があります。Wenjie Ma et al.(2016)の研究によると、1日に1回以上排便する女性は、心血管疾患の発症リスクが13%増加し、総死亡リスクも17%高くなることが確認されています【Wenjie Ma et al., 2016】。また、肥満や糖尿病を調整しても、依然として排便回数が多いことと死亡リスクの関連性が残っていることがわかりました。

肝細胞がんとの関係も?

さらに、排便回数が多いことが、肝細胞がん(HCC)のリスクを高める可能性も示唆されています。Long et al.(2021)の研究では、1日に1回以上排便する男性は、肝細胞がんのリスクが2.7倍高くなることがわかっています。このリスクは女性でも確認され、1.6倍のリスクが見られましたが、男性の方が影響が強いことが示唆されています【Long et al., 2021】。

大腸がんリスクとの関連性

排便回数が大腸がんや直腸がんのリスクと関係するかどうかについても、研究が進められています。Shen et al.(2020)のメタアナリシスによると、1日に1回以上排便する人は、直腸がんのリスクが34%増加することが確認されています。しかし、大腸がん全体との関係性はほとんど見られませんでした【Shen et al., 2020】。

腸の健康と酸化ストレス

頻繁な排便は腸内の酸化ストレスと関係する可能性があります。Vermorken et al.(2016)の研究では、便秘と酸化ストレスの関連が確認されており、排便が少ないと心血管疾患や大腸がんのリスクが増加することが示されています【Vermorken et al., 2016】。つまり、適切な排便回数を保つことが、腸内の健康維持にとって重要であるとされています。

健康的な食事と排便回数

排便回数が多い人には、ベジタリアンやビーガンの食生活が強く関連していることが示されています。Sanjoaquin et al.(2004)の研究では、ベジタリアンやビーガンの男性は、非ベジタリアンと比べて排便回数が平均で2回多いことが確認されています。この結果から、食物繊維が豊富な食事が腸の活動を促進する可能性が示唆されています【Sanjoaquin et al., 2004】。

精神的な健康との関連も?

排便回数と精神的な健康の関連についても、いくつかの研究が行われています。Longstreth(1993)の調査によれば、ストレスや不安が排便回数に影響を与え、特に女性の方がこの影響を強く受けやすいことがわかっています。ストレスがかかると腹痛や排便パターンの変化が見られることが多く、これは精神的健康と腸内の健康が密接に関係していることを示しています【Longstreth, 1993】。

結論:排便回数が多いことには利点もリスクもある!

排便回数が多いことには、腸内の健康維持や代謝の改善に役立つ可能性がありますが、心血管疾患やがんのリスクを高める要因にもなり得ます。適切な食事やライフスタイルを心がけながら、自分の体調に合わせて排便回数をコントロールすることが重要です。

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