各国の政治家の収入:一体どれくらい稼いでいるのか?

政治家の収入仕事
この記事は約3分で読めます。

政治家の収入と聞くと、「え、そんなに貰ってるの?」と思う人もいれば、「いやいや、もっと貰っていいでしょ」という人もいるでしょう。実際に、政治家の収入は国によって、またポジションによって大きく異なります。今回は、各国の政治家の収入について、最新の研究をもとに解説していきます。

1. ドイツの政治家の収入と格差

ドイツの議会メンバー(MP)は、その収入において一般市民に対して大きな格差を持っています。研究によれば、政治家の収入は同等のスキルを持つ市民に比べて35%から65%高いことが明らかになっています。ただし、トップレベルの企業役員と比較すると、この格差はゼロに近づくとのことです【Peichl et al., 2011】。

2. イギリスの「サイドビジネス」を持つ政治家たち

イギリスの議会では、多くの政治家が民間企業での副業を持っています。2010年から2016年にかけてのデータによると、特に大臣や委員会の議長職に就いた政治家は、その役職を退任後に副業からの収入が大幅に増加しています。ただし、現職中の収入の変化はあまり見られないため、影響は役職から離れた後に集中していることがわかっています【Weschle, 2020】。

3. ノルウェーの政治家:任期後の収入減少問題

ノルウェーの政治家たちは、任期中には収入が増加する一方で、任期を終えた後には収入が大幅に減少するという現象が観察されています。1970年から2019年のデータを基にした調査では、政治家の平均収入は任期中に増加するものの、退任後にはその利益が失われ、経済的に厳しい状況に置かれることが示されています【Geys & Sørensen, 2023】。

4. インドの政治家たちの報告収入と実際の資産のギャップ

インドでは、政治家たちの収入報告と実際の資産との間に大きな乖離があります。2014年および2019年のローク・サバ(下院)選挙におけるデータでは、最も裕福な政治家たちの報告収入は彼らの総資産のわずか3.4%に過ぎないことが判明しています。この結果から、特に裕福な政治家が税務申告を避けるために創造的な会計手法を用いている可能性が示唆されています【Ray & Singh, 2022】。

5. アメリカの州知事の収入:パフォーマンスとの関係

アメリカの州知事の収入は、州ごとの経済状況に左右されることがわかっています。研究によれば、州の一人当たり所得が10%増加すると、州知事の収入も約4.5%増加します。一方で、住民の税負担が10%増加すると、州知事の収入は約1%減少することが示されています。この現象は、「成果報酬」としての側面が強いと考えられています【Di Tella & Fisman, 2004】。

6. フィンランドの議会議員の給与増加と女性の参入

2000年、フィンランドでは議会議員の給与が35%引き上げられました。この給与増加により、特に女性の政治家が増加したことが確認されています。教育レベルや職業的資格によって測定されたデータでも、給与増加によって女性が政治家として参入する動機が高まったことが示されています【Kotakorpi & Poutvaara, 2010】。

7. 日本の政治家の収入と問題点

日本の政治家の収入は、議員報酬や手当の他に、多くの「政務活動費」や「交通費」が含まれています。特に交通費に関しては、多くの議員が利用している新幹線や飛行機の費用をカバーするために多額の予算が計上されていますが、その透明性や使途が問題視されています。

結論:政治家の収入は国によって大きな違いがあるが、透明性の確保が課題

政治家の収入は、国や役職、さらには職務後の生活によって大きく異なります。一方で、収入の透明性や税務報告の信頼性、また報酬の構造とパフォーマンスの関連など、多くの課題が残されています。

タイトルとURLをコピーしました